ウルトラファブリックス・ホールディングス株式会社

気候変動への取り組み

気候変動に対する考え方・方針

気候変動は私たちが直面している環境問題の中でも最も重要な問題と認識しています。私たちは企業市民として、製品を製造・販売する事業者として、身近な着手できるところから気候変動に対する取り組みを進めていくとともに、将来にわたって気候変動に与える影響を軽減する方策を検討し、実行に移してまいります。

温室効果ガス(GHG)排出量

2024年度は太陽光パネル設置効果等により、SCOPE1(自社設備における燃料の使用に伴う直接排出)・SCOPE2(外部から購入する電力や熱の使用に伴う間接排出)の排出総量は2021年度比18.5%減となりました。一方で生産量も減少しておりますので、生産量1Yard当たりの排出量は1.7%増加しております。
 今後は、2030年度に排出総量を2021年度比42%削減するという目標達成のために諸施策を講じてまいります。また、SCOPE3(Scope1・2以外のサプライチェーン全体を通じた間接排出)についても、GHG排出量を算定し、削減するよう努力してまいります。

※表は横にスライドできます。

Scope別排出量 2021年度
[t-CO₂]
2022年度
[t-CO₂]
2023年度
[t-CO₂]
2024年度
[t-CO₂]
Scope 1 12,105 13,125 11,756 9,983
Scope 2 ーマーケット基準ー 3,265 3,173 2,521 2,542
Total 15,370 16,298 14,277 12,525

*マーケット基準=電気購入の契約に基づく排出係数を用いる方法

※表は横にスライドできます。

Scope3
排出量内訳
2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
排出量
[t-CO₂]
構成比
[%]
排出量
[t-CO₂]
構成比
[%]
排出量
[t-CO₂]
構成比
[%]
排出量
[t-CO₂]
構成比
[%]
カテゴリ1 37,689 67 47,114 68 46,403 72 20,271 53
カテゴリ2 2,009 4 1,796 3 6,471 10 9,196 24
カテゴリ3 3,744 7 4,006 6 3,617 6 3,129 8
カテゴリ4 9,358 17 13,685 20 6,072 9 2,775 7
カテゴリ5 1,227 2 1,381 2 1,225 2 1,068 3
カテゴリ6 41 0 43 0 43 0 42 0
カテゴリ7 106 0 109 0 111 0 112 0
カテゴリ9 1,869 3 1,601 2 776 1 1,434 4
Total 56,042 100 69,735 100 64,717 100 38,028 100

**2024年度より排出原単位データをIDEAに変更しております。

SBT for SMEs認定取得

SBTロゴ

当社グループは太陽光パネルの設置や水素ボイラーの導入により、SCOPE1・SCOPE2に係るGHG排出量を2030年度までに2021年度比42%削減することを目標として掲げ、SBTiによるSBT for SMEs認定を取得しました。SCOPE3については、GHGプロトコルに基づいてCO2排出量を算定し、削減するよう努力してまいります。

SBT for SMEs / SBTiとは

SBTとは、パリ協定の目標(世界的な平均気温上昇を産業革命以前と比べて 2°Cより十分低く保つとともに、1.5°Cに抑える努力を追求すること)が求める水準と適合した温暖化ガス排出削減目標のことです。SME(中小企業)向けSBTは、従業員500人未満の非子会社・独立系企業に適用される目標で、通常のSBTに比べるとやや負担が軽くなっており、中小企業にとっても取り組みやすい内容となっております。
 SBTiは、CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)が連携する国際的な団体で、科学的根拠に基づく目標設定のベストプラクティスを定義および促進し、企業の目標を独立して評価しています。

温室効果ガス(GHG)排出量の削減に向けて

群馬工場内倉庫屋上(2021年)に続き、群馬工場建物屋上(2024年)に太陽光パネルを設置したことにより、2024年はグループ全体で使用した電力の5.4%を太陽光エネルギーで賄い、122tのGHG排出量を削減することが出来ました。
 また、2023年にはボイラーで作り出された蒸気を使用箇所に効率的に届けるために蒸気改質装置を導入し、これによって約1%のGHG排出量削減効果がありました。

サステナブル・プラント千代田工場


千代田工場水素タンク
千代田工場水素ボイラ

新設した千代田工場では脱炭素に向けた設備を設置し、製造プロセスのサステナブル化をすすめています。当工場の設備投資資金は環境改善効果のある事業に限定したグリーンローンを利用して調達しました。


サスティナビリティプラント

CDP2024気候変動質問書においてBスコアを獲得

CDPロゴ

当社グループは環境系非営利団体CDPが実施する気候変動質問書につき、2024年の質問書への回答を行い、「B」スコアを獲得しました。「B」スコアは、CDPの評価基準において「マネジメントレベル」に位置づけられ、気候変動に関連するリスクと機会を認識し、具体的な行動を取っていることを示しており、8段階(A、A-、B、B-、C、C-、D、D-)となるスコアにおいて、上から3番目に位置するものです。

CDPとは

CDP(Carbon Disclosure Project)は、2000年に設立された本部をロンドンに置く国際的な環境非営利組織(NGO)で、環境問題に高い関心を持つ世界の機関投資家や主要購買企業の要請に基づき、企業や自治体を対象とした世界的な環境問題対策に対する情報開示システムを運営し、その対策を促すことを主たる活動としています。

製品使用時における温室効果ガス(GHG)排出量の削減に向けて

当社グループの製品は、本革やPVC(ポリ塩化ビニル)と比べて約1/2~2/3の重さという特色を持っています。
 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス削減に取り組み1gでも軽い素材を求める航空会社や電気自動車の開発を進める自動車メーカーにも採用されており、お客様のサステナビリティに対する取り組みを製品の提供を通じて支援しています。

TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)への取り組み

当社グループは気候変動の緩和に向けた諸対策に取り組むとともに、2023年2月にTCFD提言への賛同を表明し、気候変動が当社グループのビジネスへもたらすリスク・機会および対応策について検討してまいりました。その内容をTCFDの情報開示フレームワークに沿って、以下の通りまとめました。今後も引き続き、企業の継続的な成長と持続可能な地球環境・社会を同時に目指すサステナビリティ経営の一環として、気候変動への対応を一層推進し、TCFD提言が推奨する枠組みに沿って適切に情報開示を行ってまいります。

TCFDとは

SBTロゴ

TCFDとはG20 の要請を受け、金融安定理事会(FSB)によって設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース」を指します。2017年6月に最終報告書を公表し、企業等に対して、気候変動に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標・目標」について開示することを推奨しています。