気候変動は私たちが直面している環境問題の中でも最も重要な問題と認識しています。私たちは企業市民として、製品を製造・販売する事業者として、身近な着手できるところから気候変動に対する取り組みを進めていくとともに、将来にわたって気候変動に与える影響を軽減する方策を検討し、実行に移してまいります。
2023年度は太陽光パネル設置効果等もあって、SCOPE1(自社設備における燃料の使用に伴う直接排出)・SCOPE2(外部から購入する電力や熱の使用に伴う間接排出)の排出総量を2021年度比7%削減した結果、生産量1Yard当たりの排出量も7%減少しました。 今後は、2030年度に排出総量を2021年度比42%削減するという目標達成のために諸施策を講じてまいります。また、SCOPE3(Scope1・2以外のサプライチェーン全体を通じた間接排出)についても、GHG排出量を算定し、削減するよう努力してまいります。
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Scope別排出量 | 2021年度 [t-CO₂] |
2022年度 [t-CO₂] |
2023年度 [t-CO₂] |
---|---|---|---|
Scope 1 | 12,105 | 13,125 | 11,756 |
Scope 2 ーマーケット基準ー | 3,265 | 3,173 | 2,521 |
Total | 15,370 | 16,298 | 14,277 | >
*マーケット基準=電気購入の契約に基づく排出係数を用いる方法
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Scope3 排出量内訳 |
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||
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排出量 [t-CO₂] |
構成比 [%] |
排出量 [t-CO₂] |
構成比 [%] |
排出量 [t-CO₂] |
構成比 [%] |
|
カテゴリ1 | 37,689 | 67 | 47,114 | 68 | 46,403 | 79 |
カテゴリ2 | 2,009 | 4 | 1,796 | 3 | 249 | 0 |
カテゴリ3 | 3,744 | 7 | 4,006 | 6 | 3,636 | 6 |
カテゴリ4 | 9,358 | 17 | 13,685 | 20 | 6,072 | 10 |
カテゴリ5 | 1,227 | 2 | 1,381 | 2 | 1,225 | 2 |
カテゴリ6 | 41 | 0 | 43 | 0 | 43 | 0 |
カテゴリ7 | 106 | 0 | 109 | 0 | 111 | 0 |
カテゴリ9 | 1,869 | 3 | 1,601 | 2 | 776 | 1 |
Total | 56,042 | 100 | 69,735 | 100 | 58,515 | 100 |
当社グループは太陽光パネルの設置や水素ボイラーの導入により、SCOPE1・SCOPE2に係るGHG排出量を2030年度までに2021年度比42%削減することを目標として掲げ、SBTiによるSBT for SMEs認定を取得しました。SCOPE3については、GHGプロトコルに基づいてCO2排出量を算定し、削減するよう努力してまいります。
SBTとは、パリ協定の目標(世界的な平均気温上昇を産業革命以前と比べて 2°Cより十分低く保つとともに、1.5°Cに抑える努力を追求すること)が求める水準と適合した温暖化ガス排出削減目標のことです。SME(中小企業)向けSBTは、従業員500人未満の非子会社・独立系企業に適用される目標で、通常のSBTに比べるとやや負担が軽くなっており、中小企業にとっても取り組みやすい内容となっております。
SBTiは、CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)が連携する国際的な団体で、科学的根拠に基づく目標設定のベストプラクティスを定義および促進し、企業の目標を独立して評価しています。
2021年に群馬工場内にある倉庫の屋上に太陽光パネルを設置しました。これにより、2023年はグループ全体で使用した電力の2.8%を太陽光エネルギーで賄い、65tのGHG排出量を削減することが出来ました。今後は、群馬工場の建物や、現在建設中で2025年稼働予定の千代田工場にも順次太陽光パネルを設置してまいります。
また、2023年にはボイラーで作り出された蒸気を使用箇所に効率的に届けるために蒸気改質装置を導入し、これによって約1%のGHG排出量削減効果がありました。
当社グループの製品は、本革やPVC(ポリ塩化ビニル)と比べて約1/2~2/3の重さという特色を持っています。
二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス削減に取り組み1gでも軽い素材を求める航空会社や電気自動車の開発を進める自動車メーカーにも採用されており、お客様のサステナビリティに対する取り組みを製品の提供を通じて支援しています。
当社グループは気候変動の緩和に向けた諸対策に取り組むとともに、2023年2月にTCFD提言への賛同を表明し、気候変動が当社グループのビジネスへもたらすリスク・機会および対応策について検討してまいりました。その内容をTCFDの情報開示フレームワークに沿って、以下の通りまとめました。今後も引き続き、企業の継続的な成長と持続可能な地球環境・社会を同時に目指すサステナビリティ経営の一環として、気候変動への対応を一層推進し、TCFD提言が推奨する枠組みに沿って適切に情報開示を行ってまいります。
TCFDとはG20 の要請を受け、金融安定理事会(FSB)によって設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース」を指します。2017年6月に最終報告書を公表し、企業等に対して、気候変動に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標・目標」について開示することを推奨しています。