大量生産・大量消費・大量廃棄の社会においては、あらゆるものの生産に必要な資源が枯渇し、廃棄物による環境破壊が進んでいます。このような社会構造から脱却し、限りある資源を効率的かつ循環的に活用することによって資源の消費を抑制し、社会の持続性を高める循環型社会の形成に貢献すべく、当社グループにおいても様々な取り組みを進めてまいります。
当社グループの製造工程においては、廃ペースト・廃液、販売には不適合な製品や最終製品を出荷する際に切り落とした端切れなどの廃棄物が発生します。生産計画の最適化によって原材料・資材類の使用効率を高めると同時に、製造工程における監視強化を進め、販売には不適合な製品の発生を極力少なくする取り組みを行っています。
2023年度の廃棄率*は1.50%と、対前年度実績や3%以下という目標値を大幅に下回りました。前年度に発生した一過性の品質問題が収束したことに加え、従来は廃棄していた販売不適合品を粉砕し、トラックの荷台用シートなどに再利用する取り組みを始めたためです。この取り組みにより、廃棄率が継続的に1%台となることも視野に入ってくるため、3%以下としてきた廃棄率の目標値を変更していくことも検討いたします。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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廃棄率* | 2.16% | 3.31% | 1.50% |
*廃棄率:製造から販売の過程で発生した販売不適合品や顧客から返品された製品の数量から再利用した数量を引いた数量の、製品生産数量に対する比率
また、当社グループの製品は長期間の使用に耐えられることを特長としており、最終製品となった後の廃棄物削減にも貢献しています。
発生した廃棄物については、周囲環境に悪影響を及ぼす不適切な処理が行われないこと、及び関連法令の遵守が徹底されることを基準として、廃棄物の種類ごとに選定した業者に処理を依頼しております。廃棄物処理業者との契約については、より適切かつ効率的な廃棄物処理が行われるよう、適宜見直しを行っております。
2019年に当社グループは植物由来原料を活用した初の製品であるVolar Bioを発売しました。Volar Bioは再⽣可能な植物由来原料を原材料とする複数の層からなる独自の構造で、限りある資源への依存を減らすという私たちのコミットメントを具体化した商品です。ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂にはトウモロコシ由来成分から合成されたポリオールを樹脂原料の⼀部に使⽤し、綾織基布には⽊材パルプを原料とする繊維をその⼀部に使⽤しています。化石燃料ベースのエタノールは温室効果ガスを排出しているのとは対照的に、トウモロコシ由来のエタノールは活発に大気中から二酸化炭素を取り除きます。
Volar Bioは、機能性とサステナビリティを念頭に置いて開発され、29%のバイオ原料を含む製品としてバイオプリファードプログラムの認定をうけています。バイオプリファードプログラムは、アメリカ合衆国農務省(USDA)がバイオマス製品の発展の推進を目的とする取り組みで、消費者にバイオ製品に関する有益な情報を提供すると共に、民間企業の認証やラベリング制度を運用しています。
また、Volar Bioはスタイリッシュでcruelty-freeであることが認められ、2020 PETA Vegan Homeware Awardを受賞しました。
当社グループでは2030年度までに50%以上の製品を再生可能/リサイクル原料を使用した製品とすることを目標としています。2023年度は家具・航空機・RV・船舶向け製品のうちでは93%となりました。お客様に、より環境に優しい製品の選択肢を提供し、その販売活動にも力を入れていきます。
KAJIHARA DESIGN STUDIO様のご支援を頂いてアップサイクルブランド『REDOW』を立ち上げ、販売不適合品を使用したバッグ、クッション類などの販売を開始しました。
今後は『REDOW』をリユース・リサイクルのプラットフォームとして進化させ、廃棄物を削減したいという趣旨に賛同していただいた企業様とのコラボレーション製品を開発したり、二次加工使用やマテリアルリサイクルの方法も模索してまいります。