文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、顧客を満足させる品質と価値の創造開発に全力を尽くすとともに、環境保全と省資源へも積極的な取組みを続け、消費者・取引先・株主等を始めとするステークホルダーに信頼される企業を目指すことを経営の基本理念としております。
この理念の実現を通して、株主の利益向上・会社の発展・社会への奉仕・社員生活の充実の推進が一致する経営の確立を目指してまいります。
また当社は、常に新しい市場の創造と開拓に努め、顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品を開発しながら、生産性及び顧客サービスの向上を図り、当社並びに当社製品への信頼を得るための体制を確立してまいります。
当社は、中長期的な業績見込みにおける売上収益、EBITDA、自己資本利益率を重要な経営指標として位置付けております。
ポリウレタンレザーに求められる機能やデザインは、その用途によって異なります。特にハイエンドのレザーに対しては、様々な機能と最先端のデザインが求められます。当社とUf社は、製品開発において従前より協力関係を築いておりましたが、事業統合によって顧客ニーズの直接的な製品開発への反映と量産への展開がより迅速に行える体制となり、品質に対する要求水準が高い自動車、航空機等の分野における製品用途を拡大させております。地域面では、東京、ニューヨーク、ロンドンの3拠点から、当社製品をUf社のブランド名でグローバルに展開しております。特に自動車や航空機は事業そのものがグローバル化しており、製品のグローバル展開は当該分野における採用に貢献するものと考えます。ハイエンドレザーとして製品用途の拡大とグローバル市場への展開により、事業統合の最大の目的であるグローバルブランドとしての地位の確立が可能になります。グローバルブランドとして認知されることは、製品の持つ高い機能性、優れたデザイン性、そして品質の安定性がブランドにより担保され、新規の顧客や新しい用途における採用に大きく貢献するものと考えております。
環境問題に対する意識の高まりやライフスタイルの変化から、軽量でアニマルフリー、触り心地もよく、清潔さも簡単に維持できるプレミアム素材として、当社製品に対する需要は高まっています。2018年に完全2ライン化が完成しましたが、このような旺盛な需要に対応するために、設備の老朽化対策や生産効率の改善を進め、国内外の協力企業を含めた生産能力の拡充を進めております。また、協力企業においても当社製品と同程度の品質を維持するため、技術指導や検査体制の増強が急務となっています。
近年、特定の顧客に対する売上が急激に増加し、売上依存度が高まっていることが懸念されています。当該顧客からの受注動向によっては当社売上に大きな影響を及ぼす可能性があるため、自動車向けだけではなく、軽量素材が顧客のサステナビリティ推進に貢献できる航空機向けも成長の柱とする、オフィス家具向けだけではなくレジデンシャル家具向けにも注力する、北米に加えて欧州における営業体制も強化するなど、様々な側面から売上収益源の分散を図ってまいります。
現在、世界には地球温暖化をはじめとする気候変動や資源問題から多様性豊かな社会づくりに至るまで、サステナビリティに関する様々な社会的課題が存在します。当社は「サステナビリティを重視し、社会に貢献する」をグループ経営理念の一つとして掲げ、サステナビリティの観点から顧客・従業員・取引先・株主など全てのステークホルダーに選ばれる企業となることを目指しています。そのためには、バイオ・リサイクル原料によるサステナブル製品の開発、生産工程における二酸化炭素排出量の削減などに向けたサステナブルプラント化の推進、協力企業とのサステナブル目標の共有を進め、企業価値を向上させるよう努力してまいります。