当社グループは、合成皮革製品の製造・販売を事業としております。オフィス家具から自動車・航空機など幅広い業界にまたがる様々なニーズを米国を拠点とするUltrafabrics社が顧客から収集し、日本の第一化成が日本の技術によって製品化・生産し、旗艦ブランドであるULTRALEATHER®やBRISA®をはじめとするブランドのもと1,000以上に及ぶ製品を世界中のお客様にお届けしています。

 

これらの製品は一般的に「合成皮革」と呼ばれてきましたが、本革に近い製品を目指して開発や生産をしているわけではありません。お客様は本革では得ることのできない触り心地とデザイン性や機能性を求めており、当社グループ製品はこれらのニーズに沿って生み出される新しい素材なのです。そして昨今では、軽量で耐久性も高い素材であることが環境意識が高まる航空業界において評価されたり、アニマルフリーで先進的なデザインを求める欧米の産業デザイナーの嗜好とも合致して注目されています。

 

当社グループは2017年の経営統合により成立しましたが、この6年間のあゆみは大きく三点に集約されると思っています。まず第一点目は、生産ラインを完全２ライン化したことにより、生産能力が拡大し、お客様に安定的に製品を供給する体制を整えることができました。これにより、自動車向け売上が成長を牽引し、今後は航空機向けの売上も伸びていくことが期待されています。
二点目は、有機溶剤の回収設備刷新に始まり、ISO14001の取得、中小企業向けSBTの認定取得、TCFDに基づく情報開示など、サステナビリティを推進してまいりました。私たちの主要顧客である欧米企業はよりサステナビリティを重視する傾向にあるので、サステナビリティ推進は今後の売上拡大に向けて必須の取り組みとなっております。
三点目は、日米の異なる言語や文化を背景とした企業が統合し、一体となって製販にまたがる経営課題に取り組む体制を構築してきたことにあります。これは、企業規模の成長に合わせて、今後とも進化していかなくてはならないポイントです。
これらの取り組みにより、当社グループは高い技術力と強い販売力、サステナビリティに対する高い視座が結びついたグローバルな企業集団として、さらなる成長を目指してまいります。

2024年5月1日

ウルトラファブリックス・ホールディングス株式会社　代表取締役社長
吉村 昇